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歯科コラム

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歯科コラム

ずっと自分の歯で食べたい…! 
〜パート5 かかりつけ歯科医がいる人は長生きする???編〜

前回の「ずっと自分の歯で食べたい…! 〜パート4 予防歯科編〜」では予防歯科の大切さについて解説しました。

【前回のコラムのおさらい】
・予防歯科とは、口腔疾患が起こらないように普段から予防をしてお口の健康を守ること
・予防歯科はお口の中の疾患を予防、または悪化する前に治療を行うために必要なことで、
 歯の寿命を延ばす最良の手
・北欧では子供の頃から歯科医に歯の定期健診へ行くことが習慣化されている
・歯が生えたら歯磨きを始め、徐々に毎食後の歯磨きを習慣づけるようにしましょう。
・疾患が起こってから治療するよりも、定期的に歯科医院で予防をする方が歯の寿命が長
 くなり、医療費も抑えることができる

今回のコラムは「健康寿命」について多くの調査・研究を行っている、首都大学東京教授の星旦二先生の著書『なぜ、「かかりつけ歯科医」のいる人は長寿なのか?』を参考に、「かかりつけ歯科医」についてお話ししていきます。


「健康寿命」という言葉を聞いたことがありますか?

最近、某大物歌手のKさんが「健康寿命を延ばそう…云々…」と宣伝しているテレビCMもあり、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。「健康寿命」とは、「日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のこと」で、2000年にWHOによって提唱されました。日本は世界一の長寿大国ですが、多くの方が介護を受ける必要があったり寝たきりであったりと、介護保険に頼りながら長寿を保ってきました。
しかし、現在の日本は少子高齢化社会。増え続ける高齢者を支えてくれる若い世代の人口が減りゆくばかりで、医療や介護の現場でも人手不足が問題となっています。そんな長寿大国であり、少子高齢化社会の日本であるからこそ、ひとりひとりの「健康寿命」を延ばすことが課題となるのです。


では、みなさんは「かかりつけ歯科医」をおもちですか?

おそらく、大半の方はいつも通っている内科・耳鼻科などの「かかりつけの主治医」がいると思いますが、「歯科のかかりつけの主治医」と呼べる医師はいるでしょうか?日本歯科医師会では、「かかりつけ歯科医」とは「患者さんのライフサイクルに沿って、口と歯に関する保健・医療・福祉を提供し、地域に密着したいくつかの必要な役割を果たすことができる歯医者さんのこと」としています。つまり、歯が痛くなったときに治療に行くだけではなく、口腔内を健康に保つためのケアとして「予防歯科」(コラム「ずっと自分の歯で食べたい…! 〜パート4 予防歯科編〜」で紹介しましたね!)の治療にも通っている歯科医院のことです。現在、日本では約6割の方が「かかりつけ歯科医」をもっていると言われますが、調査によって定義が曖昧なところもあるので予防歯科をしっかりと受けている人はもっと少ないのかもしれません。

それでは、「かかりつけ歯科医」と「長寿」の関係とは一体…。
下のグラフを見てみましょう。これはある都市部の65 歳以上を対象として、「かかりつけ歯科医をもつ方」と「かかりつけ歯科医をもたない方」にわけて調査日からの生存日数を示したグラフです。かかりつけ歯科医をもつ方の方が、もたない方に比べて男女共に長く生きる方が多いことがわかります。女性の方がその差が顕著に表れていますね…。


なぜ、かかりつけ歯科医をもつ人は長生きなのでしょうか?

人間を始めとした動物は、食べ物を噛んで磨り潰すことで体内へ取り込み、そこから栄養を摂取して生きていることは皆さんご存知ですね。では、歯がなくなってしまったらどうでしょう?疾患などにより歯が抜けて噛むことができなくなると、食べられる物が減り、栄養の偏りや食欲の低下による低栄養を招きます。この低栄養の状態が長く続くと、筋力や運動能力が低下して身体を動かすことができなくなる、寝たきりになるなど、身体的に自立できなくなります。かかりつけ歯科医をもつ人は、もたない人よりも食事や排泄、入浴などの「日常生活に必要な基本的な行動」がひとりででき、介護が必要ない人が多いのです。

実は、一昔前までは老人ホームや病院でもお口の中のケアに重点を置く施設は少なく、歯や口のケアの重要性が注目されたのは最近のことなのです。そのため、全ての歯が抜けてしまって十分な食事ができなくなる、口腔機能の低下によって誤嚥性肺炎が引き起こされて病状が悪化して寝たきりになるケースもありました。誤嚥性肺炎とは、食べたり飲んだりした時にそれが食道ではなく気道・気管に入ってしまい、細菌が肺の中で繁殖することで起きる肺炎のことです。コラム「ずっと自分の歯で食べたい…! 〜パート1 歯周病編〜」のおさらいになりますが、歯周病は全身疾患とも関わりがあることがわかっています。歯周病を引き起こす細菌は血液中に侵入して増殖し、血液と一緒に全身へと回ります。この細菌が全身の疾患を引き起こしているのではないかと今は考えられていますが、最初に口腔内の歯周ポケットから発見されたために歯周病菌とされているだけであって、この細菌の本当の標的は血管や心臓なのかもしれないという説もあります。

かかりつけ歯科医をもつことは、身体的に健康になるだけではありません。かかりつけ歯科医をもつ人ほど「自分は健康だ」と思っている割合が多く、生活満足度も高いようなのですが、「自分は健康だ」「自分の生活に満足している」と思う人ほど長生きするということが調査によってわかっています。さらに、かかりつけ歯科医をもつ人の方が外出や友人・近所の人と交流する頻度が高く、趣味の活動を活発に行って楽しいと思える時間を過ごしているようです。また、日常生活に必要な基本的な行動の他に、買い物や洗濯・掃除などの家事、金銭管理といったことができる、「生活の自立度」が高い傾向もあります。歯や口の役割には、噛む・飲む・味わうことだけではなく、話す・笑うことなどもあります。歯が喪失すると、「昔は笑えていたのに、うまく笑えなくなった…」なんてことも。健康な歯と口をもつことは、身体と心の健康を維持し、美味しく食事をしながら笑うことができる、有意義な生活を送ることに繋がります。


それでは、「良いかかりつけ歯科医」はどこにいるのでしょう。

街を歩いてみると、歯科医院をよく見かけませんか?現在、日本には約70,000の歯科医院がありますが、これは国内のコンビニエンスストアの店舗数を上回っているのです。ちなみに、東京都中野区だけでも200件以上の歯科医院があり、一方のコンビニエンスストアは130店舗ほど。「コンビニよりたくさんあるなんて、どの歯科医院に行けばいいのかわからない!」と思ってしまいますよね…。

かかりつけ歯科医を選ぶポイントは…
@疾患を治すだけではなく、予防のための指導やアドバイスをしてくれる
Aどんな治療をするのか説明してくれる
B必要に応じて適切な医療機関を紹介してくれる

この3つの他にも、「自宅・職場の近くにあって通いやすい」「医師やスタッフとの相性が良い・話が合う」「疑問や質問を気軽に聞くことができる」などの条件の中で、ご自分に合う医院を選択してください。また、インターネットの口コミサイトで判断するよりも、家族・友人といった身近な人からの評判が良い医院を選ぶ方が良いでしょう。ただし、かかりつけ歯科医をもっているからと言って、その歯科医院に頼りっぱなしではいけません。QOLを高めるには、かかりつけ歯科医をもつことに加え、自分の口腔内に対する意識を高めて日頃から適切なセルフケアを行うことが好ましいと言えます。

まだかかりつけ歯科医をもたない方、予防歯科をうけたことがない方は、この機会にご自分のお口の中へ意識を向けてみてはいかがでしょうか。