中野駅南口の歯医者 横山歯科診療所

横山歯科診療所

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悪い歯並びを予防する! その①

みなさんこんにちは。中野区の歯医者、中野駅南口から徒歩5分の横山歯科診療所です。今回から悪い歯並びの予防と題して幾つかのテーマを説明していきます。
まず始めにお子さんのお口の状態について質問します。いくつ当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。

お口の状態チェックリスト

呼吸について

  • □お口がポカンと開いていることが多い
  • □口呼吸になっている
  • □前歯に着色がつきやすい
  • □唇がよく乾く
  • □口臭がある

食べ方について

  • □口を開けたまま食べる
  • □食事中クチャクチャ音がする
  • □食べている時舌が見える
  • □食べこぼしが多い、食べ方が汚い
  • □口の中に溜めていて中々飲み込めない
  • □前歯でかじれない
  • □水やお茶で流し込む

話し方について

  • □滑舌が悪い、発音が明瞭でない

その他

  • □イビキをかく

これらの質問にチェックがついた場合2018年に国が定めた新しい歯科の病名「口腔機能発達不全症」に当てはまる可能性があります。最近の子供達は口呼吸、お口ポカン、食事中食べ物を飲み込む時歯の隙間から舌が見える、クチャクチャ音がする、舌足らずで発音が不明瞭などの口の機能の異常が見られる事が多いです。これは息をする、物を食べるという「呼吸」「嚥下」という生命を維持する基本が正しくできていないことを意味します。これは子供の約20%が該当する可能性があるとも言われています。口腔機能は他の身体機能と同じで乳児、幼児、学童期にそれぞれ年齢にあった機能が獲得されるべきなのが、やや遅れている状況です。勿論早期に気づいて少しでも早く修正してあげられればその後は通常の発達軌道に乗っていけるのです。この対象年齢が18歳未満というのもそういう理由から来ています。

呼吸について

お口ポカンは単に口だけの問題にとどまりません。この口呼吸は口から空気を吸って口から吐くという呼吸ですが、これは口腔内を乾燥させ、唾液による自浄作用を低下させる為虫歯や歯周病になり易くなります。また歯並びにも影響したり、イビキをかきやすくする、風邪をひきやすくなる等全身への影響も見逃せません。
そもそも哺乳類の鼻は呼吸する器官で、口は食物を摂取する器官なのですが、人間は言葉によるコミュニケーションをとる為口と気管がつながり、口も本来の使い方以外に呼吸ができる様になってしまいました。この弊害が出たのが口呼吸です。
背筋を伸ばしていい姿勢をとると口では呼吸しにくくなるので、自然と首を前に突き出し上向きになります。いわゆる猫背です。また逆に猫背になると口呼吸になり易いとも言えます。一度やってみると納得できます。試してみてください。

口呼吸の歯並びや顔つきへの影響


口呼吸の怖いのは習慣としてやっていると歯並びや顔つきに影響してくる点です。

具体的には口を開けている時間が長くなると、唇によって上顎前歯を内側に抑え込む力が働かず、前歯は前方に押されいわゆる「出っ歯」になっていきます。本来歯列のアーチはアルファベットのUの字が安定していますが、「出っ歯」は多くの場合Vの字のアーチをしています。
また呼吸の問題は舌の位置とも関係します。舌がしっかりと上に上がっていない為上顎を横方向にも前後方向にも拡大する力が働かず、上顎は小さいままです。この時上顎に上がらない舌は下顎の歯列の上に鎮座していたり、行き場のない舌が下顎の前歯を押すこともあり隙っ歯になります。

この様に正しい位置にない舌もお口の中で悪さをします。
口を閉じ、舌の上面(舌背と言います)がしっかり上顎につけられていたら、鼻呼吸しか出来ません。逆に舌が下にあるから口で呼吸ができる(口呼吸になる)ということです。
これも1回やってみると納得できます。

ですから口呼吸=お口ポカンの子供は24時間舌が下に落ちてしまっている状況ということです。
これでは舌がしっかり内側から歯列を支えられていないのですから、上顎が成長できずに小さいのは当然です。その小さな上顎の中に下顎が入るのですから更に後ろへ押し込められてしまいます。舌も当然後方にあるので気道(空気の通り道です)は細くイビキをかいたり、重症になれば子供でも睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるのです。

口呼吸と集中力

その他最近の傾向として落ち着きがない、一定の時間座席でじっと座っていられない、周囲のことが気になって集中できないというADHD(多動)傾向のお子さんの%が昔より増加している可能性があるという話を聞いたことがあります。毎日の診療のなかでも確かに私達もそう感じています。

原因は1つではないと思いますが良質な睡眠がしっかりとれていない睡眠障害の可能性も示唆されています。以前都内で開催された「ねむりフォーラム」で『睡眠不足の子供の脳はほろ酔い状態と同様である』という研究者の報告が新聞にありました。睡眠障害とは様々な原因で睡眠の質や量が低下して睡眠不足が続き、生命の維持から社会生活まで支障をきたす睡眠の障害を総称したものですが、発育の途上での子供の睡眠障害は脳の成長、発達が妨げられ、言語能力や身体能力の発達が遅れ、コミュニケーション障害を起こす可能性も指摘されています。
この様に呼吸1つとっても歯並び、顔貌、ひいては睡眠など体に影響することを知っていただきたいと思います。

次回は姿勢についても書いていきたいと思います。

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