予防歯科治療
ずっと自分の歯で食べたい(予防歯科・メインテナンス)
歯科医院は痛くなってから行く所と思われていませんか?
虫歯や歯周病などのトラブル起きてから治療するのではなく、そうならない様に予防に重点を置くことを予防歯科と言います。
「自分ではしっかり歯みがきをしている」と思っている方でも落とせない汚れはあります。歯の形は思っている以上に複雑です。自分の口の中をすみずみまでチェックすることは難しいでし、自分で磨きにくい場所やつい長年のクセで磨き残しの部位もあるはずです。
年に数回、歯の状態をチェックする「プロケア」と歯科衛生士や歯科医師の指導を聞いてご自分で行う毎日の「セルフケア」の両輪でお口の健康を守っていこうとする考え方です。また、たとえ虫歯や歯周病になりかけた時でも定期的にチェックをすることで早めの対策がとれる為、治療期間も短く済むはずです。
お口の健康は一生のテーマです。各年代において気をつけてほしいポイントがあり、それぞれ必要なケアをしていきましょう。
ここでは大まかに①乳幼児期・小児期 ②青年期 ③成人 ④高齢期の4つについてまとめてみました。
乳幼児期・小児期
① 虫歯の早期発見と治療が可能
これは病気全般に共通ですが、早期発見であれば簡単な治療で済むことと、何より子供さんが痛みを感じなくていいので歯科医院は怖いというイメージになりません。また適切なプラークコントロールの話や食生活の指導も受けられます。その他予防としてフッ素塗布、シーラントという予防充填(奥歯の溝を予め平坦にする)なども可能です。
② 歯並びのチェック
お子さんの生活習慣やちょっとしたクセが歯並びに影響することがあります。簡単な例では3,4歳を過ぎてもなかなか治らない指しゃぶりや頬杖などがあげられます。また子供さんの歯の萌出には個人差がありますが、全く生えてくる気配がないなど心配がある場合はレントゲンを撮ってみることも必要な場合があります。
過剰歯が生えるのを邪魔していたり、逆に永久歯が元々無かったりする子供さんも最近見受けられます。
青年期
① セルフケアを自立させる
実際小学生までは虫歯もなかった子供さんが中学・高校生になると男女関係なくプラークコントロールが悪くなったと感じることがあります。実際軽度の歯肉炎は中学生の60%に見られるというデータもあります。
この時期に自分のブラッシングの方法をチェックして、間違った磨き方をしている場合は修正しておくことが大切です。
② 虫歯や歯肉炎の早期発見と治療
「①」でも書いたプラークコントロールが疎かになることで虫歯や歯肉炎になりやすい時期です。ただ初期の虫歯の少しの白濁や歯肉の赤身、腫れだけの歯肉炎であれば適切なブラッシングと食習慣の是正、フッ素等で改善できますから検診は大切です。
成人期
① 二次虫歯
虫歯は子供がかかるというイメージがありますが、最近は大人の虫歯も増加しています。これは歯そのものの虫歯(歯間部が多い)も該当しますが、一度詰めたり被せたりした周囲からの虫歯(二次虫歯)にもチェックが必要です。特に神経を取っている歯は痛みを感じませんので放置することで抜歯になることもあります。1本であれば早期に脱落している様な歯も繋がっている場合は気づかない危険もあります。
② 歯周病の早期発見と早期治療
歯周病は初期には殆ど自覚症状はありません。根が見えてきた、歯が動く、歯肉がよく腫れる、固いものが噛めない、口臭を指摘されるなどの症状が出てきたときは既に進行しています。私たちの口の中には口腔常在菌がいて、歯周病の原因菌の主役である「P.g菌」も概ね18歳頃から生息しているといわれています。体の抵抗力が低下したりするとプラーク中の歯周病菌を抑え込むことが出来ずに増殖をさせ発症します。常在菌をゼロにすることはできない為、歯周病は発症させない・再発させないために予防・メインテナンスが必要なのです。
高齢期
① 虫歯と歯周病のチェック
成人期と同じく虫歯と歯周病のチェックは重要です。8020運動という言葉を聞いていると思いますが、今は80歳で20本歯が残っている人もたくさんいらっしゃいます。特に高齢者になると根が出ている方も多く、この状態でプラークコントロール(歯磨き)が適切にされないと軒並み根面虫歯になってしまいます。加齢と共に唾液量も減少し、唾液による自浄作用が効かず、口の中が汚れやすくなります。
② 入れ歯のチェック
入れ歯は人工臓器といって毎日口の中で歯の代わりを担ってくれているものです。使用していれば人工歯の部分も減っていきますし、バネの部分も疲労したり変形します。また口腔内も変化していくので使用中の入れ歯があっているかどうかも検診でみることも大切です。
③ その他のお口のトラブル
歯に被せた金属や入れ歯のバネなどが破損して舌に当たっていると潰瘍の様な傷が出来ることがあります。長期間傷を放置していると刺激で舌ガン等になる可能性もある為、早めに受診しましょう。
さてあなたはどの道を選びますか?
大人の虫歯を進行させてしまうと治療も大がかりになってしまいます。
そして皮肉にも歯を失う可能性も高まってしまっています。
データとしても定期的にメインテナンスに通ってきた方の方が高齢になっても多くの歯が残っていると出ています。
また、2012年の調査になりますが、gooリサーチとプレジデント編集部の共同調査により「人生の振り返り」
に関するアンケートを行いました。
シニア1060人から得た回答によれば、
『退職前にやるべきだった・・・』後悔トップ20の中で、健康のカテゴリーでは、
【55~59歳】
1位 スポーツで体を鍛えておけばよかった
2位 よく歩けばよかった
3位 歯の定期健診を受ければよかった
【70~74歳】
1位 歯の定期健診を受ければよかった
2位 よく歩けばよかった
1位 スポーツで体を鍛えておけばよかった
という結果になっています。
この様に多くの人が老後「歯」について後悔している現実があります。
メインテナンスではプロの目でお口をチェックします
プラークの付着状況、歯肉の炎症、虫歯の有無などをチェックし、必要があればレントゲン撮影も行います。
その他、普段のケアの注意点の話をして、最後に専用機器を使用したクリーニングでお口の中をすっきりさせます。
痛くなってから行く歯科医院ではなく、人生の最後まで何でもおいしく食べられ、元気でいられる様に、お口の健康管理の為の歯科医院にしてみませんか?